施設長挨拶

はまゆう療育園のホームページにおいでいただき、ありがとうございます。施設長から一言ご挨拶させていただきます。はまゆう療育園は1973年(昭和48年)永野義孝先生(現理事長)が創立し、 今年で46年になります。約170名の重症児者(園生さん)がここで生活し、治療・療育を受けています。また、同じ敷地内には、県立苓北支援学校があり、中等部、高等部に通学している園生さんもおられ、 学びの場ともなっています。近隣には天草慈恵病院など医療機関にも恵まれ、必要時には当園ではできない検査や、診断・治療を受けています。

私は施設長就任にあたり、次の3つを主要な任務と考えております。一つは、新しいはまゆう療育園への移転を無事に行うという課題です。重症管理室の園生さんや人工呼吸器を装着している方も少なからずおられ、 移転は大変な作業になると思われます。

二つ目は、当園の「経営方針」にも明記されておりますが、当園で働く私たちスタッフの「資質の向上」です。園生さんは種々の心身の障害、合併症などで医療・リハビリ、 看護、療育・介護それぞれの面からかなり高度な対応を要する場合が少なくありません。資質向上のため自ら学習、研究を継続していく努力を組織として支援するシステムを作っていきたいと考えています。 資質向上の取り組みは、虐待防止の面からも重視しています。

三つ目は当園の「経営理念」にもありますように、「障害を持った子供を抱いて途方にくれている母親の気持ちになって…」という障害児者福祉の原点を忘れないということです。 これまで当園では保護者の会の役員の方をお招きして、講演会などを開催し、職員の資質向上に努めてきました。今後も保護者の皆さんとしっかり団結して園生の皆さんが豊かな時間を過ごせるよう努めます。

加えて、理念といいますか、「障害とは何だろう。」「人類にとって障害とはどんな意味があるんだろう。」という理論的な面での探求も重視したいと思っています。私たちのように体が小さく、力も弱い人類が、 いかにして現在まで生き残ってきたのか。それには、いろいろなタイプの人々(いわゆる健常者や種々の先天的・後天的障害者など)によって成り立つ集団の複雑性・多様性、互いを結びつける思いやりの心、 言葉などによるコミュニケーションで支えられた集団形成、これらによるところが大きいという報告があります。障害者との共生が、これまで人類が生き残ってきたことに少なからず貢献してきたという考えです。 この問題に関しては、たくさんの人たちと時間をかけて、いろいろな機会に意見を交換していきたいと思います。

はまゆう療育園
施設長 清水進

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