発進塔

458号 発進塔:ふり返るⅡ

掲載日:2024年01月01日

いろんな事情があって「はまゆう療育園」を設立したことや、その経営理念についても幾度となく話してきましたが、設立当初の苦労話はあまり話していませんでした。そこで最終回に、その苦労話の一部を述べてみたいと思います。

療育園を設立した1973年に所謂「オイルショック」という大インフレーションが発生しました。高度の物価高騰と品不足です。殆どの人々が生活できない状況でした。開園まもない療育園や職員も例外ではありません。私は金策に追われ、狭心症を起こした程でした。職員には1年に3回のベースアップをして忍んでもらいました。殆どの事業所が通常の業務ができない状況でもありました。

ただ幸いであったのは、時の総理が吉田茂元総理の特訓を受けていた池田勇人さんであったことでした。彼はこの危機をうまく活用し、日本の高度成長へのきっかけに転換してくれました。池田さんといえば、大の酒好きで夜な夜な下町を飲み歩くことが多かったようです。そこで吉田総理に呼ばれ「呑船(どんしゅう)の魚は支流に遊ばず」船を飲み込むほど大きな魚は支流にいないものだ。大物になるなら大河にいなければならない、と叱責されたということです。

現状を観るにオイルショックの頃以上の困難が待ち受けている時代のようにも思えます。皆さんも既に感じ始めているでしょうが、一番の難題は人口減少です。これは簡単に解決できる事ではありません。皆さんも協力していただきたい。知恵の出し所です。

これで発進塔は終わりとします。今年もどうぞいい年でありますように。

 

一貫グループ会長
永野 義孝

今月の紙面一覧

1.年頭挨拶 守る会一行施設訪問
2.守る会九州・沖縄ブロック大会
3.医療材料管理システム稼働 令和版「希望を胸に」
4.特別賞受賞 ランチタイム面会 イルミネーション点灯

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