発進塔

452号 発進塔:謹賀新春

掲載日:2023年01月01日

明けましておめでとうございます

この一年が皆さんにとって平穏であることを念じています

                    2023年 元旦

ふり返る

通常であればふり返るといえば昨年の事になりますが、近年、そうとばかりはいえません。昨年は一昨年を、一昨年はまたその前の年をと年を跨(また)いで同じ事柄が繰り返されているからです。コロナ禍が終息せず未だに拡大し続けているのも要因の一つかも知れません。その他にもロシアのウクライナ侵略による残酷な行為や気候変動によると思われる世界各地の森林火災、旱魃・洪水の多発が挙げられます。国内では個人所得は目減りしているのに物価高や諸々の負担が増え続ける状況も相変わらずだし、円安も改善の兆しが見えません。また労働人口の減少も深刻になるばかりです。人口6500人のうち、既に100名の方々が外国籍の人であるという天草郡苓北町を見ても人口減少が進んでいることがお判りと思います。

私達の日常を支えてくれているこのような人々に何か手助け出来ないかと考え、陳霞芬さんにも協力いただきながら対策・対応を始めました。これは2040年問題として日本人総てが直面する最大の課題でもあります。2040年問題とは少子化と高齢化がピークに達し、多死社会となり人口が急激に減少する社会が到来すると言われている年です。但し、これは全国的な統計によるものであり、地方ではそれが十年余り早く到来します。

天草辺りでは2030年問題として構えて準備を進めていかねばならないと考え、行動を始めた年でした。

皆さんも各々に1年をふり返り、新たな気持ちで新年を迎えられたと思います。楽しかったことや悲しかったこと、苦しかったこと、悲嘆にくれたこともあった昨年だったでしょう。今もなお苦しみの中にいる人があるかも知れません。それでも諦めないで生き抜きましょう。

事業計画

本年はまず慈永会の経営方針を改定します。といっても基本的な文言を変更する訳ではありません。順序を変えるだけなのです。従来「安全の確保」を一番に、「人権の尊重」を二番に据えていましたが、それを入れ替えることにしました。

人権とは、人が人間として生まれながらにして持っている自由・平等に関する権利のことなのです。他人から与えられたものではないのです。これは1789年のフランス革命の折、ラファイエットが提案した主権在民、自由・平等に関する宣言に由来しています。そしてアメリカの独立宣言にも、日本国憲法にもその精神が強く反映されているのです。他人から与えられたものでもないのです。そのことを充分理解した上で入園児(者)やご老人に接して頂きたいと考え敢えて置き換えるものです。

次に、療育園では学育・楽育の復活です。療育園創設当時は、重度重複障がい児の治療法は確立されたものではなかったし、就学猶予・免除という名目で勉強の機会も与えられていませんでした。しかも重度の重複障がいがある人は20才までは生きられないと考えられていました。それでも私はそういった人達にも教育が必要であると訴えていたし、短い命でも楽しみや喜びを感じてもらおうと、学育部・楽育部なる部門を設けて活動を始めました。

幸いにして支援学校設立へと広がって行きました。しかし、卒業後は生涯教育として療育園が担っていかなければなりません。生活面の充実も未だ不十分な状況にあると考えています。これからの50年はそこにスポットを当てなければと考えています。

稲穂会においては、新たな有料老人ホームの開設準備に取り掛かります。

皆さんの協力を期待しています。本年もよろしく。

一貫グループ会長
永野 義孝

今月の紙面一覧

1.年頭挨拶 がんばる高校生
2.障がい者虐待防止 夜間非常呼集訓練 50周年に寄せて④
3.クローズアップ 東棟棟民体育祭 園生様の夢かなえ隊
4.産業文化祭見学 今年も点灯 イルミネーション

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