発進塔

441号 発進塔:謹賀新年

掲載日:2021年01月01日

明けましておめでとうございます

この一年が皆さんにとって穏やかな年となることを祈っています

 

1年を振り返ってみると、楽しいことや感動すること、あるいは愉快に思ったりすることはあまり無く、むしろ辛かったことや悲しかったこと、困惑したり諦めたこと、悲嘆に暮れるようなことが多かったような気がします。皆さんは如何でしたか。

昨年は更に新型コロナウイルスの感染拡大は、その特異性も加わって人々の心にいつまで続くのかという、不安の影を植え付けて暗い世相を形成しました。一般的にウイルス感染は発症した後に他の人々に感染さすというのが常識でしたが、今回の新型コロナウイルスは発症する前から既に感染を広めるという今までにないウイルスだったからです。

政府の対応にも問題があったと思います。今回のコロナ対策における諮問会議の設置はその組織の構築の時から既に間違っていたと考えています。というのは経済関係大臣の下に経済学者と医学専門家による会議を設置したことです。これではお互いが自分達の考え方を主張するのに憚りが生じます。縦んばそうであったら考えられる範囲で最も徳が高くかつ地位が高い、加えて国民が納得する人材をその長に据えるべきでした。そして変化する状況に即断即決して政策を遂行すべきでした。今迄は総てが後手後手になっていたように考えられます。

然しもう少しの辛抱です。以前はワクチン製造といえば、その成果を得るまでに10年単位の年月が必要でしたが、人工知能や遺伝子学等々の科学の急速な発展により、私達が想像し期待した以上の速さでワクチンの開発が進みました。多分、春頃には高齢者や医療従事者など多くの方々がワクチンの接種を受けられそうです。あと暫くの間耐えてください。パンデミックが去ったであろう9月の中秋節には全員挙げての大観月宴でも開催しましょう。

ウイルスの話をしたので序に述べますが、私達の躰には数兆個の細菌やウイルスが常に宿ったりしています。勿論全てが悪玉という訳ではありませんが、この見えない敵との戦いは過去から現代、そして未来へと人類が存続する限り、続いてゆくものであることを知っておいて下さい。そして今、当たり前として行っている消毒や後片付け、整理整頓といった行為は身を守る所作としてだけでなく、礼儀作法としても守り続けて欲しいと思います。

古きに学ぶ

「貧しさを患えずして 安らかざるを患う」

孔子が弟子に言った言葉です。孔子には三千人の弟子がいたといわれています。弟子とは学問に志す者であり、その学問とは政治を意味していました。そしてその奥義は道徳でした。

注釈する必要もないと思いますがこういう事です。「人々が貧しい生活をしているのは気がかりである。しかし良い政治とはそんな事より、まず人々が先々を案じて心穏やかに暮らしているかどうかにこそ気配りすべきである」と。これは2500年前の話であり、政治を志す弟子に孔子が述べた一節です。コロナ感染拡大下の今日の日本に当てはめて考えてみましょう。

そして貧しさを「経済に」に、安らかを「安心」に置き換えて読んでみてください。おのずから答えが出るでしょう。

一貫グループ会長
永野 義孝

今月の紙面一覧

1.年頭挨拶
2.感染対策備蓄品 合同避難訓練 1年を振り返って
3.クローズアップ-新型コロナ感染症 1年を振り返って
4.デジタルディスプレイ放映開始 合同文化展 イルミネーション

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